購入する?自作する?手軽に毛糸を紡げるスピンドルの基礎
2016/04/10
ゆったりとした空気の中、人の手で優しく紡がれていく毛糸……そんな牧歌的なイメージのある手紡ぎに夢中になる人が続出しています。
中でも、スピンドルという道具を使った手紡ぎが、場所も取らず手軽に手紡ぎができるので人気が高いんですよ。
スピンドルとは
スピンドルとは、「シャフト」という細長い棒の片方に「ワール(またはウィール)」という円盤状の重りがついた道具です。シャフトの片方の先端は先が細くなっており、もう片方には糸を引っ掛けるためのフックや溝が付けられているものが多くみられます。
スピンドルをコマのように回すことで羊毛に撚りをかけて毛糸を紡ぐため、必要なのはスピンドルと羊毛だけという非常に手軽な手紡ぎなんですよ。
手元からまっすぐに降りていく羊毛と、それに続くスピンドルが静かに回転している様子を上から眺めながら毛糸を紡いでいると、自然と心が落ち着いてくる癒し効果もあります。
スピンドルの購入場所
スピンドルは、一般の手芸店ではあまり取り扱われていません。以下のような羊毛専門店のネット通販で購入するのが手っ取り早いです。
・ラ・メール&many*many
・アナンダ
・花樹ぶらんど
・金の羊
ワールの形状や重みによって回転の仕方が違い、フック付きと溝付きのどちらが紡ぎやすいかも人によって違いますので、一度講習会や体験会などで実物を触ってみると良いかもしれません。
スピンドルを自作する方法
スピンドルは、身近なもので手軽に自作することもできます。
ただし、やはり使い勝手という面では市販のスピンドルの方が断然良いです。もし、最初から自作のスピンドルを使用してみて上手く回せない場合は、市販のスピンドルの購入も検討してみてください。
自作に必要なものは、シャフトになる棒状のものとワールになる円盤状のものです。
<シャフトに使える身近な物>
- 編み物に使う棒針
- 竹ひごや竹串
- 割り箸
- ストロー
- ホームセンターなどで取り扱われている丸い木の棒など棒状のもの
<ワールに使える身近な物>
- 厚紙やボール紙
- コースター
- CD
など直径10cm前後円盤状のもの
厚紙を使用する場合は、2枚以上を張り合わせたり布を貼るなどして補強すると良いでしょう。
<その他使い勝手をよくするもの>
- 重り代わりになるもの
(粘土、5円玉、50円玉などシャフトに取り付けられるもの) - 洋灯吊や9ピンなどフックになるもの
<作り方>
ワール代わりの厚紙やコースターに穴を空け、シャフト代わりの棒状のものを刺すだけです。
CDを使用する場合は最初から中央に穴が空いているので、穴のサイズに合った棒を使用しましょう。
スピンドル以外に必要な材料・道具
・羊毛
手芸店で販売されている羊毛フェルト用の羊毛で毛糸を紡ぐことができますが、羊毛専門店ならカラーバリエーションも豊富で、割安です。
・かせとり棒(ニディノディ)や木枠
撚っただけの羊毛は、そのままでは撚りが戻ってしまったり、撚りが弱い毛糸は切れてしまいやすいので、丈夫な毛糸にするために「撚り止め」という最後の仕上げを行います。
(毛糸のデザインや用途によっては行わない場合もあります)
その際に、かせとり棒(ニディノディ)や木枠が必要です。
羊毛専門店で取り扱いがあるので、スピンドルや羊毛を購入する際に一緒に購入しておきましょう。
ガーターでオリジナルカラーの毛糸を紡ごう
ガーターという道具があれば、複数の羊毛を混ぜてオリジナルカラーの毛糸を紡ぐことができます。
2本で1対のハンドカーダーは場所も取らず、コツさえ掴めば簡単に羊毛の混色ができます。
多少場所を取りますが、大量の羊毛を混色するならドラムガーターという道具が便利です。
スピンドルの基本的な使い方
スピンドルは、フックや溝の付いた方を上にします。
国内の羊毛専門店などで販売されているスピンドルは、ワールがフックや溝とは逆側についているものが多いですが、世界的にはワールがフック側に付いているタイプのスピンドルもあります。
どちらのタイプでも基本的な使い方は同じで、スピンドルの根元に取り付けたリーダーヤーンや元糸と言われる毛糸やたこ糸に原毛を繋げたり、フックの付いたものであればフックに原毛を繋げ、スピンドルが床などに付かないように片手でまっすぐに持ち上げるのが基本姿勢です。
もう片方の手でスピンドルを時計回りに回転させ、原毛に撚りをかけることで毛糸を紡いでいきます。
もし回転が止まったときにスピンドルが逆回転してしまうようであれば、スピンドルの重さが足りないことが考えられます。自作の場合は重りを追加し、市販品の場合は細く撚るか、もっと重たいスピンドルに替えましょう。
詳しい紡ぎ方については、また別の記事でご紹介しましょう。
まずはスピンドルを用意してみよう
スピンドルやお好きな色の原毛を用意することが手紡ぎの第一歩です。
まずはスピンドルを購入・自作してみたり、お気に入りの原毛を探してみてください。
混色に使うガーターは必ずしも必要ではありませんが、かせとり棒や木枠は予め用意しておいた方が便利ですよ。手紡ぎに慣れてきて、オリジナルカラーの羊毛を作りたくなってきたら、ガーターの購入も検討しましょう。
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