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透明粘土でのフェイクフードスライスレモンの作り方【驚きのフレッシュ感!】

      2016/12/26

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これまでミカンやトマトなど、瑞々しさが特徴的なフルーツをいくつかご紹介してきました。
フルーツの透明感を表現するためには、通常の粘土ではちょっと不満が残ったかもしれませんね。
今回は、乾くと透明になる特殊粘土を使ったレモンの作り方をご案内します。
驚くほどきれいで本物そっくりの出来上がりに、きっとビックリするはず!

レシピ:透明なスライスレモンの作り方

難易度: ★★★★☆ 粘土の扱いと細かい部分の作り込みがポイント。
完成度: ★★★★★ 透明感があって美しい作品が作れます。
予算:  ~2000円 (すけるくんとトップコートを両方購入する場合の目安です)

用意するもの

材料

  • 樹脂粘土「すけるくん」(通常の樹脂粘土でも作れますが、透明にはなりません)
  • 樹脂粘土 (白)
  • 水性ペン (黄色 100均ショップで12色以上入りが購入できます)
  • アクリル絵の具 (白・黄色・種を作る場合のみ黄土色)
  • 木工用ボンド
  • ニス(水性・透明タイプ 100均ショップで購入できます)

道具

  • 細めのストロー (綿棒の軸でも代用可)
  • 爪楊枝
  • 歯ブラシ (使い古したものがベターです)
  • クッキングシートなど、裏が透けて貼りつかない下敷き
  • 不要な紙 (B5サイズ以上の物)
  • 定規
  • カッターナイフ

ポイント:「すけるくん」について

最初に今回使用する乾くとほぼ透明になる粘土「すけるくん」の扱いについて、注意点などをご案内しておきます。
すけるくんは樹脂粘土ですが、ほかの粘土とは手触りや扱いが大きく異なります。
以下のポイントに注意して、この後の作業を進めてください。

特徴

  • 非常に柔らかい
  • 油っぽい
  • 色がとても濃く出る
  • 乾燥に時間がかかる
  • 乾燥中にひび割れてしまうことがある
  • 乾燥するとかなり縮む
  • ホコリを吸いやすい

作業上の注意点

最初にとにかく根気よくこねる!

⇒ほかの樹脂粘土も作業前によくこねることから始めますが、すけるくんは特にこの最初の捏ねが重要な意味を持っています。

捏ね始めるとすぐに油がにじみ出たような感じでテカテカヌルヌルとしてきますが、そのまま手のひらですり潰すように丹念にこね続けてください。
小さめの作品でも5分以上、粘土の量が多い場合はさらに時間を掛けて丹念にこねます。

この最初の捏ねが足りないと、乾燥中にヒビが入りやすくなります。
また、透明度もきれいに出ずに不透明のままになってしまう場合があります。

すけるくんは縮む割合が非常に大きい粘土です。
完成品は最初に作ったサイズから、約1割~1.5割も小さくなってしまいます。
完成サイズよりも一回り大きく作ることを意識して、使う粘土の量を決めてください。

着色は控えめにする!

⇒一般の樹脂粘土と比べると、すけるくんは体感的に3~5倍ほど濃く色が付いてしまいます。
乾燥前はほんの僅か、色が付いていない程度に見えても、乾燥するとくっきりとした色になります。
今回のレモンの場合は元々色が薄い果肉なので、うっすらとクリーム色に見えるかどうか程度で丁度です。

乾燥するのに時間がかかります!

⇒ほかの樹脂粘土では、今回のレモン程度のサイズなら3~5日で完全に乾燥しますが、すけるくんは最低でも1週間以上かかります。
乾燥しながら徐々に透明になっていくため、乾燥度合いが目でわかりやすいのも特徴です。
完全に透明になるには、約2週間~1ヶ月もかかるという声もよく聞きます。
何かのイベントに合わせて作品を作る場合は、余裕をもって早めに作り始めないといけない粘土です。

ホコリが付きやすい!

⇒これはどの粘土でも言えることですが、作業中の粘土はホコリを嫌います。
特に透明になるすけるくんは、中に入り込んだごみやほこりが作品を汚くしてしまいます。
表面が非常に油っぽいため、ちょっとしたホコリをどんどん吸いつけてしまうのです。
作業する場所はあらかじめきれいに拭いておき、手も脂や汚れが付かないように良く洗っておいてください。

ここまで書くと、「なんだかめんどくさい粘土だな」という印象があるかもしれませんね。
その通り、すけるくんは“面倒くさい粘土”です。
でも、自由に形を作れて透明になる素材というのは意外と少なく、何より完成品の美しさが際立っているため、スイーツデコやフェイクフードを作る人には非常に高い支持を受けている粘土なんです。

すけるくんのヒビを防いでよりクリアに仕上げるために、専用の仕上げ剤も売られています。
これからすけるくんを使っていろいろな作品を作ってみたいと思われる方は、そちらも同時に手に入れることをお勧めします。
ねんど 透明粘土すけるくん
ねんど 透明粘土すけるくん コート液

それでは、実際にすけるくんを使ってスライスレモンを作ってみましょう。

手順

1.最初に型紙を準備します

スライスレモンを作るだけなら型紙は必要ありません。
今回は房を切り離してよりリアルなレモンを作るために、簡単なガイドになるものを用意します。
カットしないで作る場合は、この手順は飛ばしてください。

不要な紙を一枚用意し、まず直角に交わる2本の線を引きます。
その線の間にさらに30度間隔で2本の線を引き、全部で12に分割されるようにしておきます。
分度器がない場合は、最初の直角の線の同じ位置(サンプルの場合は内側の点が中心から3cm)に印をつけて置き、印と印をつないだ線の1/3のところに点を打って、対象になる点同士をつなぐと簡単です。
精密である必要はありません。

このラインは、レモンの表裏に同じ形に房を付けるために使用します。
型紙がなくても作業自体は可能ですので、より美しく仕上げたい場合のみ用意してください。

2.粘土に着色します

まず、よくこねたすけるくんに水性ペンで着色をします。
注意事項にも書いた通り、すけるくんは非常に色がくっきりと出る粘土です。
水性ペンの黄色を使い、淡いクリーム色になる程度に着色をしてください。

3.平たくつぶしてレモンの形を作ります

用意した型紙の上に、貼りつかない素材で型が透けて見える物(クッキングシートなど)を置きます。
四隅をテープなどで留めて動かないようにしておくと、作業が楽になります。

型紙の中心に玉にした粘土を置き、やや厚め(4~5mm程度)に平たくつぶします。
もしあれば、平らなプラスチックなどを使うときれいに丸くつぶすことができます。
その場合は粘土とつぶすものの間にもクッキングシートを挟んで、粘土が貼りつかないようにしておきましょう。

4.レモンの粒々を付けます

潰した粘土に、定規などの固いものを使って線を付けます。
型紙に沿って12房に分かれるように跡を付けてください。
縁の部分を4か所くぼませて、裏から見てわかるようにしておきます。

付けた線の内側に、ストローや綿棒の軸をつぶして楕円形にした物を押し当てて粒々の跡を付けて行きます。
ミカンやお米と同じ作り方ですが、レモンは粒の形をやや細長くしておいた方がリアルになります。
くっきりと跡が残るように、丁寧に作業してください。

片面が終わったら、裏返して反対側も同じように線を引いて粒を付けます。
この時に、フチのへこみを型紙の4点と合わせると、両面が同じ房の形になります。

すけるくんは柔らかいので、裏側を終わらせてから見ると表側の粒が潰れてしまっているはずです。
力を入れないように薄くなった部分の粒をもう一度きれいに付け直して、両面ともきちんと粒が付いたら乾燥させます。
種を付けたい場合は、この時点で種を埋め込んでおいてください。

もし粒が潰れて何度やってもきれいに出来ないときは?

1日程度乾燥させて次の手順に進む前にもう一度粒を上から付け直してみてください。
表面の水分が飛んでいるので、粒が消えにくくなってきれいに作業できるはずです。

ホコリが少なく風通しが良い場所で、そのまま乾燥させます。
すけるくん専用トップコートをお持ちの場合は、形ができた段階でまず一度塗っておきます。
普通の粘土のニスは乾燥後に塗りますが、すけるくんのトップコートはヒビを防いで透明度を上げるという役割を持っています。
最初の乾燥前に塗っておくことで、大きなヒビができてしまうのをある程度防ぐことができるのです。

参考:種の作り方

スライスレモンの種は必ずしも必要ではありませんが、サンプル写真のようにリアルな種入りのスライスレモンを作りたい場合は、あらかじめ種を準備しておきましょう。

種は樹脂粘土で作ります。
粘土の種類は問いません。
100均ショップダイソーの樹脂粘土をはじめ、不透明な樹脂粘土なら何でも使ってください。

指先で小さなシズク型に粘土を丸めます。
作りたいレモンのサイズに合わせて、大小いくつかを作っておきましょう。
この粒が乾いたら、アクリル絵の具の黄土色(イエローオーカー)を使って着色します。
あまり水を加えず、細い筆や綿棒などを使って、全体的に色を付けておきましょう。
半分にカットしてカット面が見えるように配置すると、よりリアルな種になります。

小さいものはとても着色しにくいですね。
そんな時に便利なのが、弱粘着タイプの両面テープです。
両面テープがなければ、マスキングテープでも代用できます。
粘着面を上に向け、両端を同じテープで台に固定しておけば大丈夫。
テープに種を固定し、片面づつ色を付けてください。

5.レモンの房をカットしてリアルな形を作ります

乾燥開始から1日~2日目で作業をします。
房を切り離さずに作る人は、この項目は飛ばしてください。

1日経つと、すけるくんの表面が乾いて軽く触っても簡単につぶれなくなっていると思います。
この状態でさらにリアルなレモンの質感を付けます。

最初に付けた線に沿って、房を12等分にカットします。
カットしたときに房の並び順がバラバラにならないように注意してください。

中心にあたる尖った部分を、ピンセットや爪でほんの少しつまみ取ります。
この部分がまん中の綿の白い部分になります。

それぞれの房の外側、角ばっている部分をカッターでなめらかな形に整えます。
カットしたときに、房の形に多少の大小ができてしまうはずです。
粘土なので、押されているうちに形が歪むのは仕方がないことです。
大き目で目立つ房があれば、外側のラインを爪楊枝のお尻などで少し押し込むようにして、メリハリのある形にしておくと、完成形がよりリアルになります。

6.ボンドで房を貼り直します

切り離した房を、元の状態に貼り合わせます。
クッキングシートなどの上で作業してください。

木工用ボンドにごく少量のアクリル絵の具の白を混ぜて、張り合わせるための糊を用意します。
房の側面に、つまようじなどを使って着色したボンドを薄く塗ります。
そのまま隣り合う房を押し付けて、グッと貼りつけてください。

カットしたときに順番がバラバラになっていると、キレイな円形に戻らない可能性があります。
もしバラバラにしてしまっていた時は、ボンドで貼る前に一度並べてみて、できるだけきれいな形に貼れるように並び順を決めておきましょう。

ボンドの量はごく薄くで大丈夫ですが、あえてところどころ多目に塗るのもアリです。
このボンドが房の間の薄皮の表現になりますので、多少はみ出してしまっても問題ありません。

全ての房を元の形に貼り終わったら、全体をグッと抑えて形を整えます。
手を放しても房が離れてしまわないくらい固まったら、そのままそっと乾燥場所に移動しておきましょう。

これでレモンの中身の部分の作業はすべて完了です。
すけるくんは、1週間ほどするとはっきりと透明度が増してきます。
温度や湿度によって多少前後しますが、2週間もすればしっかりと透けてくるはずです。
透明になるのを楽しみに、そのまま乾燥させておいてください。
薄い作品なので、乾燥中に歪んで反り返ったりすることがあります。
途中で何度か上下をひっくり返してあげると、均一にきれいに乾燥できます。

7.皮の準備をします

すけるくんの果肉部分が乾燥したら、樹脂粘土を使って、レモンの外皮を作ります。
ここで使用するのは一般的な樹脂粘土、例えばダイソーの樹脂粘土で構いません。

白い樹脂粘土に、水性ペンの黄色を使って着色します。
レモンの皮の内側、ごく薄いアイボリーを意識してください。
色を付けてよく捏ねたら、細長いひも状に延ばします。
画像のように果肉部分を置き、周囲を一周できる長さまで延ばしておきます。

樹脂粘土の準備ができたら、すけるくんで作った果肉の周囲に木工用ボンドを塗ります。
ここで使うのは、着色していないそのままのボンドです。
つまようじなどを使って薄く均一にボンドを塗っておきます。

延ばした樹脂粘土を、果肉を取り巻くようにくるりと巻き付けます。
できるだけ平らにするため、必ず台の上で巻き付けてください。

巻きつけ終わった樹脂粘土を成形して、レモンの完成形にしましょう。

8.皮を成形してレモンを完成させましょう

最後の仕上げです。
丁寧に作業をして、キレイなスライスレモンを目指しましょう。

まず、まわりに巻き付けた樹脂粘土を果肉に密着させていきます。
ただ巻いただけだと、果肉のデコボコと皮の間に隙間ができているはずですね。
つまようじを使い、果肉の隙間にまわりの粘土を押し込むようにフィットさせます。
また、樹脂粘土が果肉にかぶってしまっている部分もきれいに整えて、果肉と果皮が自然に馴染むように整えましょう。
多少時間がかかっても、この作業を丁寧にやるのがきれいに仕上げるコツです。

果肉との密着部分が整ったら、フチを指で挟むように持ちます。
歯ブラシを使い、外周部分にボツボツとした跡を付けて行きましょう。
レモンの皮の、ブツブツとした感じを出すためであると同時に、押さえている指によって、皮の縁の部分をできるだけ直角にするためです。
スライスレモンは、スパッとカットした切り口になっていますよね。
そのスパッとを表現するために、フチはなだらかではなくはっきりと角が立つように心がけてください。

外皮ができたら、樹脂粘土をごくわずか丸めて、まん中の穴に詰めます。
つまようじの先端を使い、穴とまわりの果肉がきれいに馴染むようにつついて均します。
あえてつついたブツブツザラザラの後を残すことで、果肉のまん中の柔らかい綿っぽく見せましょう。

両面から全体を見回して、果肉と皮の隙間、中央の穴と果肉、果肉に皮の粘土がかぶった箇所が残っていないかチェックします。
満足いく形になったら、果皮の樹脂粘土が乾燥するまで乾かします。
薄い作品なので、2日もあればほぼ固まっているはずです。

皮の樹脂粘土も乾燥したら、最後の作業、レモンの色を塗りましょう。
アクリル絵の具の黄色を薄めずに使い、綿棒やスポンジなどに付けて皮のまわりにポンポンと押し当てて色を付けて行きます。
もしはみ出してしまったら、水を付けた麺棒で拭き取ればきれいになります。

また、カットした果肉を貼り直したときに、白く着色したボンドがはみ出して筋や果肉の部分が汚く見えている場合があります。
その部分も、水を付けた麺棒を使ってこすればきれいになります。

アクリル絵の具が乾いたら、スライスレモンの完成です。
おつかれさまでした。

まとめ

はじめてすけるくんを使ってみた方は、キレイに透き通ってくれましたか?
ポイントでご説明した通り、すけるくんは最初の捏ね方が足りないと、濁って綺麗に透けてくれない場合があります。
ひびが入ってしまうこともありますが、レモンのような自然物の場合、皮をうまく巻くことである程度は自然にカバーすることができます。

慣れるまでなかなかクセがある粘土ですが、一度扱いを覚えてしまうと、今まで作ることができなかった透明感のあるものが簡単に作れるようになります。
フルーツやゼリーはもちろん、お刺身やイクラなどの魚介、薄い花びらの花などもきれいに表現できます。
ぜひいろいろと試してみてください。

すけるくんを使わずに、あらかじめ果肉にはっきりと黄色く色を付けた樹脂粘土を使い同じような手順でスライスレモンを作ることもできます。
不透明な粘土を使う場合はあえてリアル感を出さず、果肉が花のような可愛らしい形にデフォルメされたレモンにしてみるのも良いかもしれませんね。
今回は、あえて果肉をカットする、最も手順が多いリアルなタイプを目指しました。
果肉をカットしなくてもそれらしくきれいなレモンになりますから、自分の作りやすい方法でトライしてみましょう。

 - フェイクフード

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