毛糸を手紡ぎしてみたい!失敗しない道具の選び方とは?
2016/04/07
自分好みの毛糸がなかなか見つからない。自分で思い通りの毛糸を紡いでみたい。そんな風に思ったことはありませんか?でも、毛糸の手紡ぎなんてハードルが高そうだし、道具の選び方もわからないからと尻込みしてしまってはいないでしょうか?
今回は、手紡ぎデビューしてみたいけど今一歩踏み出せない方のために、初心者でも扱いやすい道具の選び方とおすすめの道具をご紹介します。
手紡ぎするならスピンドル?紡ぎ車(糸車)?
「毛糸の手紡ぎ」と聞くと、はずみ車 (大きな車輪のようなもの)が付いた紡ぎ車(糸車)を連想する方が多いかもしれませんが、スピンドルという軸の長い独楽のような形の道具もあります。
どちらにもそれぞれ長所と短所がありますので、自分のスタイルや環境、紡ぎたい毛糸により、使い分けるか購入するものを選びましょう。
紡ぎ車は、足でペダルを踏むことで撚りをかけながら羊毛を巻き取っていく道具です。
毛糸を紡ぐスピードが早いので、大量の毛糸を紡ぎたいときに便利です。また、2本の毛糸をまとめて撚る「双糸」もスピンドルより簡単に紡ぐことができます。ただし大型で重量もあるため設置に場所を取ります。分解して保管することも可能ですが、組み立てる度に微妙なバランス調整などが必要になるので、慣れないうちは分解はお勧めできません。折り畳んで収納できるのものもありますので、コンパクトに保管したい方はそちらを選ぶと良いでしょう。
また価格が6万円からと高額で、中には20万円を超えるものもあります。
スピンドルは、手で独楽を回しながら糸に撚りをかけていくという非常に原始的な道具です。
紡ぐスピードは紡ぎ車よりゆっくりですが、紡ぎ車より撚りのかけ方の微妙な調整がしやすく、何より安価でスペースを取りません。座っても立っても紡ぐことができ、慣れてくるとテレビを見ながらや赤ちゃんを抱きながら、歩きながらでも毛糸を紡げるようになります。ただし、スピンドルによって基本的な回転速度が違うので、紡ぎたい毛糸のデザインや太さによってスピンドルを替える必要があります。
紡ぎ車の選び方
もちろん価格とのバランスも大切ですが、紡ぎ車を選ぶときに考える一番のポイントは、どんな糸を紡ぎたいのかということです。
太さのある大胆なアートヤーンと、シンプルな極細毛糸ではフライヤーという撚った毛糸を巻き取るボビンを取り付けるパーツやはずみ車に違いがあります。自分の紡ぎたい毛糸に合ったフライヤーやはずみ車が付いている糸車を選ばなければいけません。
「色んな毛糸を紡いでみたい」「もしかしたらほかの毛糸も紡いでみたくなるかも」という方には、フライヤー交換だけで色々な毛糸を紡げる紡ぎ車や、フライヤーやはずみ車などの付属品が豊富な紡ぎ車を選ぶと良いでしょう。
また、紡ぎ車によって糸口(フライヤーの位置)が異なりますので、自分の身長に合った高さに糸口があるかを確認しましょう。
ペタルが1つのものと2つのものがありますが、どちらも使い方は同じです。ペダル2つの方が歩くようにペダルを踏めるので自然に毛糸を紡げる反面、慣れないうちはペダルが1つのものの方が片足だけに集中して扱いやすいかもしれません。
糸口の高さやペダルを踏んだときの感覚、糸の巻き取られ具合など個人の好みによる部分も多いので、一度は実際に踏んでみて選ぶことをおすすめします。
紡ぎ車もスピンドルも、通信販売で購入したら傷や凹み、歪みなどのあるものが送られてきたというトラブルもありますので、信頼の置けるショップから購入するようにしましょう。
おすすめの紡ぎ車
数ある紡ぎ車の中から、価格が手頃で初心者向けの紡ぎ車は以下の2台です。
<オールマイティな紡ぎ車が欲しい人に>
・ashford Traditional(アッシュフォード トラディッショナル) ダブル
http://item.rakuten.co.jp/lamer-shop/ddsw/
日本国内で圧倒的な人気を誇るのが、アッシュフォード・トラディッショナルです。
メンテナンス性が高く、これ一台で極細毛糸から大胆なアートヤーンまで紡ぐことができるオールマイティな紡ぎ車です。メジャーである分オプションパーツが手に入れやすいのも魅力です。
白木のものは時間の経過により歪みが出る恐れがあるので、ラッカー塗装済のものをおすすめします。
<コンパクトな紡ぎ車が欲しい人に>
・ashford Joy(アッシュフォード ジョイ)
http://item.rakuten.co.jp/lamer-shop/joybagset/
使用しないときは折り畳んだ上で専用のキャリーバッグに入れて保管することができます。重量も約5kgと軽量なので、持ち運びも簡単です。
小さいながらもパワフルで、撚りの強さを簡単に変更することができ、フライヤーを交換することで様々な毛糸を紡ぐことができます。
ただしコンパクトな分 糸口が低く、低い椅子やソファに座って作業する必要があります。
もちろん、ほかのメーカーのものでも素晴らしい紡ぎ車はありますので、実際に色々な紡ぎ車を試して購入するものを選ぶことをおすすめします。
スピンドルの選び方
スピンドルには宙づりにして使用するドロップスピンドルと、お皿やテーブル、膝などに置いて使用するサポートスピンドルの2種類がありますが、単純に「スピンドル」というとドロップスピンドルを指します。
スピンドルはワール(円盤部分)が8~10cm程度のものが使いやすく、重量により回転速度が異なり、重量の重いものほど太い毛糸、軽いものほど細い毛糸を紡ぐことができます。重たいスピンドルで細い毛糸を紡ぐと途中で切れやすくなりますし、逆に軽いスピンドルで太い毛糸を紡ぐと回転が悪くなったり、回転が止まったときに逆回転して撚りが戻ってしまうことがあります。
先端にフックが付いているものと溝が付いているものがあり、一般的にはフックが付いているものの方が初心者向けとされていますが、実際にどちらが向いているかは人によって異なります。
実際にスピンドルを回してみて、自分の好みや紡ぎたい毛糸に合っているものを選ぶようにしましょう。
おすすめのスピンドル
初心者の方には以下のドロップスピンドルの8~10cmのものがおすすめです。
・ashford ドロップスピンドル
http://item.rakuten.co.jp/lamer-shop/ds/
・アナンダ 紫檀製ドロップスピンドル
http://shop.ananda.jp/?pid=9966378
その他の必要な道具
手紡ぎには以下のような道具もあると便利です。
かせとり棒(ニディノディ)
紡ぎ終わった毛糸を綛(かせ)にするための道具です。
大小サイズがあり、毛糸の量により使い分けます。
手紡ぎでは、毛糸の用途にもよりますが綛にしたあと「撚り止め」という処理を行います。
これは毛糸の強度を上げ、撚りが解けてしまうのを防ぐための大切な処理ですので、かせとり棒(ニディノディ)もぜひ1つは用意しておきましょう。
ハンドカーダー
羊毛を混色したり、洗っただけの原毛を紡ぎに適した状態(バッツ)にする時に使用します。
サイズは大小あり、大きいものの方が一度にたくさんの羊毛を処理できますが、大量の羊毛を処理したい場合はドラムカーダーがおすすめです。
こちらは最初から用意しておく必要はありません。オリジナルの羊毛から毛糸を紡ぎたくなったら購入を検討しましょう。
自分だけの道具を見つけよう
手紡ぎの第一歩は道具選びから始まります。
自分にピッタリ合ったお気に入りの道具と出会うことができれば、それだけで心がワクワクしてモチベーションも上がりますよ。
紡ぎ車もスピンドルも、実際に触ってみて相性を確認することが大切です。ぜひ羊毛専門店やワークショップなどで実物を試してみてください。
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