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鮮やかでジューシー!簡単フェイクフード房ミカンとちょっと凝った丸ごとミカンの作り方

      2016/10/31

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秋が深まってくると店頭に並ぶのが、鮮やかなオレンジ色でコロコロと愛らしいミカン。
「こたつでミカン」は時代が変わっても冬の団欒のイメージとして定着していますね。
フェイクフードでは、主に皮をむいた「房ミカン(皮むきミカン)」がスイーツデコのモチーフとして大人気です。
今回はそんな可愛らしい房ミカンと、いかにもフェイクフードらしい本格的な皮むき途中の丸ミカンをご紹介しましょう。

レシピ1:アクセに最適な房ミカンの作り方


難易度: ★★★☆☆ ちょっと集中力がいりますが、作業自体は単純です。
完成度: ★★★★★ 粘土によって質感が大きく変わります。透明粘土を持っているなら是非!
予算:  200円~1000円 (使用する粘土によって材料費が大きく変わります。練習なら100均で充分です。)

用意するもの

材料

  • 樹脂粘土(※)
  • 水性ペン (100均ショップ各社で手に入ります)
  • ニス(水性・透明タイプ 100均ショップで購入できます)

道具

  • 細いストローのようなもの (綿棒の軸でも代用できます)
  • 爪楊枝

(※)サンプル写真手前の透明感がある作品は、「すけるくん」という樹脂粘土を使用しています。
乾燥すると透明になる特殊な樹脂粘土で普通の粘土と同様に扱えますが、柔らかく粘り気が強い点と、乾燥時にヒビが入る可能性があり、ある程度慣れた人にお勧めします。
奥はダイソーの樹脂粘土で作ったものに、渋皮をかぶせた表現になっています。
形を作る手順は同じなので、最初は安い粘土で練習してみてください。

手順

1.粘土に着色します

白い樹脂粘土を滑らかな手触りになるまでよくこねます。
着色は水性ペンを使用すると簡単です。
粘土に水性ペンのオレンジ色を押し付けるようにして色を付けていきます。
あまり一度に濃い色にせず、何回かペンを押し当てたら捏ねて薄ければ追加するようにすると、濃くなりすぎずにきれいに着色できます。
樹脂粘土は乾燥すると色が濃くなる傾向が強いため、ちょっと薄いかな、くらいでやめるのがコツ。
手順写真ではかなりはっきりとオレンジ色に着色していますが、ここまで色を濃くする必要はありません。
特に透明度が高い「すけるくん」などの場合は、ほとんど色がついていないくらい(薄めの肌色程度)で丁度です。

2.房の形を作ります
着色した粘土を指先でミカンの房の形にまとめます。
最初にかまぼこ型に作ってから平らな方を指でつぶすと楽でしょう。
背側は厚みがある方が見栄えが良くなりますので、あまり全体を薄くしすぎないように注意してください。

3.ミカンの粒々を付けてみましょう
形が決まったら、ミカンの最大の特徴である粒を付けていきます。
「フェイクフード握り寿司」を試した方は、お米の形を付けるためにストローを使ったことを覚えていらっしゃるかもしれませんね。
ミカンの粒も同じテクニックを使います。

細いストローか、今回使用しているような綿棒の軸をカットしたものを用意してください。
断面を指でつぶし、シズク型に見えるようにしておきます。
この断面を粘土に押し当てて、粒の跡を付けていきます。
最初に平らな面の中央から扇形に広がるように幾筋か直線で跡を付けて置き、その間を埋めるように粒々を付けていきます。
跡が重なっても気にせず、とにかく隙間ができないようにミッチリと埋め尽くすイメージです。

片面ができたらひっくり返して、裏面も同様に跡を付けます。
この時、支える指に力を入れすぎると形が変わってしまったり、底にあたる部分が潰れてせっかくの粒々が薄くなってしまったりしますので、力加減に注意します。

両面が一通り終わったら、背側の処理をします。
まず背中に一本、まっすぐに筋を付けましょう。
爪楊枝などを使い、グッと押し当てるようにして筋を刻みます。
この筋を中心に、背中側にも同様に粒々の跡を付けていきます。

最後に全体を見直し、ストロー跡が薄くなっている部分には追加しましょう。
房の平らな部分の中心を爪楊枝で少し押し込むようにして形を整え、平らな辺は爪楊枝の先端で軽くひっかくようにして少しぼそぼそとさせておきます。
このひと手間を掛けることで、よりリアルでジューシーなミカンになります。

これで房ミカンは完成です。
風通しの良いところで充分に乾かしたらニスを塗って仕上げてください。
サンプル画像の奥、渋皮がついている状態を作りたい場合は、この後ご紹介する丸ごとミカンの渋皮を付ける手順を参考にしてくださいね。

レシピ2:これぞフェイクフード?リアルな皮をむきかけのミカン


難易度: ★★★★★ 手順が多いので、力加減やコツを覚える気持ちでゆっくり取り組みましょう。
完成度: ★★★★★ 誰に見せてもビックリされる作品が作れます。
予算:  200円~500円 (全て100均でそろえた場合の目安です)

用意するもの

材料

  • 樹脂粘土(白 ダイソーの手芸売り場で購入できます)
  • 軽量紙粘土 (100均ショップ各社で購入できます。「軽い紙粘土」などの商品名の物です。)(※)
  • アクリル絵の具 (黄色・赤・白 100均ショップ各社で手に入ります)
  • ニス(水性・透明タイプ 100均ショップで購入できます)

道具

  • 爪楊枝
  • 粘土ベラ (定規のような直線で硬い物で代用できます)
  • 歯ブラシ (使い古したものがベストです)
  • カッターナイフ
  • クッキングシートなど貼りつかない下敷き
  • 不要なプラスチック容器

(※)サンプルでは中身の実の部分を軽量紙粘土で制作しています。
その方がコストがかからないためですが、もちろん樹脂粘土で作っても構いません。
後から金具を付けたりする予定があれば、中身も樹脂粘土を使用してください。
置いて楽しむだけなら、手元に紙粘土があればそちらで充分です。

手順

1.最初にミカンの実を作ります

粘土(軽量紙粘土または樹脂粘土)をよくこね、アクリル絵の具で着色します。
ミカンの実の色にしたいので、最初は黄色、続いて赤を混ぜて明るめのオレンジ色にしましょう。

粘土を手のひらで丸めて球形にまとめ、1点に爪楊枝などで点を打ちます。
ここがミカンのてっぺんになります。

点からまっすぐに房の形に筋を付けていきます。
画像では粘土ベラを使用していますが、定規など固い物であれば代用できます。
切り分けるイメージで、7~8房に分かれるように深くくっきりと溝を刻んでください。
底の部分までハッキリと房の形が作れたら、そのまま完全に乾燥させます。

丸い形は乾燥が遅いため、軽量紙粘土で4日程度、樹脂粘土なら5日以上乾燥させてください。

2.ミカンの実に渋皮を付けます

ここから今までの作品でやったことのない手順にトライしましょう。
ミカンの房は半透明な渋皮に包まれています。
ところどころに渋の白い筋やかたまりもありますね。
この半透明の皮を付ける作業です。

渋皮は、木工用ボンドでも作ることができます。
実はその方が簡単なのですが、今回は外皮をかぶせてさらに剥くという処理の下地作りのためにより固くはがれにくく、粘着性が低い素材を使います。

不要な容器に水性ニスを垂らし、軽量紙粘土を細かくちぎって入れます。
爪楊枝でかき混ぜながらよく溶かして、ドロドロな状態にしておきます。
完全に溶け切らなくても大丈夫ですが、全体的に甘酒程度の白いドロリとした状態にしてください。
ニスがドロドロすぎて溶けにくい場合は、水を1滴追加します。
水を加えすぎると本体が紙粘土の場合溶けてしまいますので、ごく少量にしてください。

筆を使い、ニスをミカンに塗っていきます。
最初は指でしっかりと抑えて塗れる範囲を塗り、最後はてっぺんの穴から爪楊枝を通してその爪楊枝を持って全体を塗ります。
上下の部分や筋の間の部分にもしっかりといきわたるようにしておきましょう。
紙粘土の粒がデコボコと付きますが、これはそのままにしておいて大丈夫です。
全体を薄く膜が覆ったような状態になったらストップしてください。

このまま爪楊枝を段ボールや発泡スチロールなどに刺して乾燥させます。
洗濯ピンなどにはさんで邪魔にならないところに立てかけておくのもいいですね。
表面のニスが乾き、触ってもべたつかない状態になるまで置いておいてください。

この薄皮のニスが乾いたら、さらに透明のニスを塗り重ねます。
できれば2度重ね塗りしておくと、あとの作業が楽になります。
ニスは完全に乾いてから塗り重ねるようにして、さらに完全乾燥まで最低1日は放置しておいてください。

3.ミカンに外皮をかぶせましょう

実の部分のニスが完全に乾燥して硬くなっていることを確認したら、いよいよミカンに皮をかぶせましょう。

外皮に使うのは樹脂粘土です。
ミカンの実より一回り小さいくらいの量を用意してください。
白の樹脂粘土に水性ペンまたはアクリル絵の具の黄色で薄く色を付けてよく捏ねておきます。
この色は、ミカンの外皮の内側の色を目標にしておきましょう。
ミカンの実の方には、薄くベビーパウダーなどをはたいておきます。
これはあとで皮を剥きやすくするためで、やらなくても剥けないことはありませんが、より作業を楽にするための準備です。

粘土を薄くつぶします。
写真のようにクッキングシートで挟んで作業をすると、貼りつかずきれいに延ばすことができます。
あまり薄すぎず、ミカン全体を包める程度に伸ばしたら、ミカンの底を中心にして包みます。
この時に力を入れると、実と皮が貼りついて綺麗に剥けなくなってしまいます。
そっと軽く、力を入れないように軽く包み込む感じで全体をくるみます。

包み終わったら、てっぺんに爪楊枝のお尻でくぼみを付けます。
歯ブラシを使い、全体をそっとたたいてミカンの皮のボコボコとした質感を付けます。
包んだ時にできたヒダやシワは、この歯ブラシの処理の時に均してしまいます。
指を使ってきれいに均すよりも力が分散され、実が貼りつくのを防ぐことができます。

皮をかぶせ終わったら、風通しの良い場所で乾燥させておいてください。
次の作業まで1日~1日半程度おいておきましょう。

4.ミカンの外側の色を付けます

1日乾燥させた状態で作業をしてください。
アクリル絵の具を使い、ミカンの外皮に色を塗ります。
アクリル絵の具の黄色と赤を混ぜて明るめのオレンジ色を作ってください。
この時に水は使いません。
ミカンの外皮の厚みをアクリル絵の具だけで表現するため、できるだけボッタリとした厚味がある状態に着色します。

てっぺんに爪楊枝を刺し、全体に着色します。
粘土の白い地色が透けて見える部分がないように、何度か重ね塗りをしてください。
全体がミカン色になったらそのまま絵の具が乾くまで乾燥させます。

5.いよいよ皮むきに挑戦しましょう

今回のクライマックス、ミカンの皮むきにチャレンジです。

まず最初に、てっぺんからカッターを使って剥くための切り込みを入れていきます。
あまりシャープな直線ではなく、いかにも手で剥いた風にするために、刃を細かく動かしてギザギザなラインにしておきます。
底まで切らず、底の少し手前まででストップしておいてください。

剥く部分の両側に2本切り込みを入れたら、てっぺんの部分にカッターの刃先を差し込んでそっと持ち上げてみます。
この時に皮の方の粘土がまだベタベタして実に貼りつくようであれば、乾燥が足りていない証拠です。
さらに時間を置いてください。

カッターを入れたところから少し持ち上げたときに皮の粘土が浮いてくるようなら、そのまま指で少しづつ皮をはがしていきます。
一気に引っ張ると、外皮の粘土がちぎれてしまいます。
また、実の方のニスが剥がれて、内側の粘土がむき出しになってしまう場合もあるでしょう。
力を入れず、少しづつ少しづつ剥いてください。

底近くまでうまく剥ければ、皮むきミカンもほぼ完成になります。
今度は外皮の粘土が完全に乾燥するまで、2日ほど乾かしておきましょう。
もしこの段階で内側のニスが貼りついて取れてしまったら?
それはこの後、最後の仕上げでカバーしますので、やはり皮は剥ききっておいてください。

6.仕上げのポイント
ミカンの皮、うまく剥けましたか?
中身のニスが剥げてしまうのは、外皮をかぶせるときに力が入りすぎてくっついてしまった場合と、外皮の乾燥が不十分で内側にまだ水分が多かった場合に良く起こります。
実際に私も何度か経験しています。

そんな失敗のカバーも含め、ミカンに最後の仕上げをしましょう。
アクリル絵の具の白を出し、ごく少量の黄色を混ぜてアイボリーを作ります。
外皮の内側と同じくらいの色になれば充分です。

細い筆や筆の角、爪楊枝の先などを使い、ミカンの実の方に渋の筋を書いていきます。
ごく少量の絵の具を、ポンポンとたたくように付けていくのがコツです。
渋皮のニスが剥がれてしまった部分は、少量のニスを足したアイボリーの絵の具を薄く塗り、同様に筋を書き込んでしまえば目立たなくなります。
見えている範囲は小さいので、まわりと違和感がなく溶け込めば充分です。
実のてっぺん近くの部分は、やや厚めにアイボリーの絵の具を付けます。
ミカンの画像などを見ながら、自然で素朴な感じの渋皮を目指してください。

最後に全体にたっぷりと透明なニスを塗って乾かしたら、ツヤツヤの皮むきミカンの完成です。

まとめ

おつかれさまでした!
特に皮むきミカンにチャレンジした方は、要所要所で力加減や乾燥度合いに四苦八苦されたのでは?
実は皮むきミカンにはほかの作り方があり、それは丸い形に半乾燥させた粘土で、皮の部分だけを薄くそいでから内側を実の形に成形するというものです。
小さいミカンならその方が楽なのですが、ある程度の大きさでリアルに作るのはかなり高度なテクニックが必要になるため、今回は手数は多いものの、失敗しにくくリカバリーしやすい方法をご紹介しました。
この皮むきミカンがきれいに作れれば、粘土で作るフェイクフードのコツはほぼマスターしたと考えても良いかも知れません。
あとは工夫次第で、どんな果物も野菜も作ることができるでしょう。

ビタミンカラーのオレンジ色で作られたフルーツは、パッと目を引き付ける素敵なアクセサリの素材として最適です。
房オレンジのペンダントやピアスもカワイイですよね。
ぜひ作ってみてください。

 - フェイクフード

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