ワイヤーを使って骨格のある羊毛フェルト作品を作ってみよう
2016/07/06
リアルな動物や人形を作るときに、ワイヤーなどで骨格を作った上に羊毛を巻き付けていく手法があります。
なぜ骨格を作ってから羊毛を巻き付けるのでしょうか?羊毛だけではリアル系の作品を作ることはできないのでしょうか?また、骨格はどのように作っていけば良いのでしょう?
今回は、そんな疑問を解消できるよう、骨格を作る理由やワイヤーなどで作った骨格を使った羊毛フェルト作品の作り方をご紹介します。
どうして骨格を作るの?
リアルな動物も自立する人形も、骨組みがなくても作り上げることは可能です。
しかし、骨組みを作ることでより微妙なポーズを付けることができたり、完成後にも多少ポーズを変えることもできるようになるというメリットがあります。
また、猫の尻尾やゾウの鼻など、一部分にのみ動きを付けたいときにもワイヤーは便利です。
骨格に使えるワイヤーとは?
よく使用されるのは、手芸店で取り扱われている「テクノロート」です。
ポリエチレン製の形状保持芯材で、太さが直径約0.7mmから約1.4mmのLサイズまでのバリエーションがある白色のものと、約0.9mmの黒色のものなどがあります。
ほかに、アルミ製など手で曲げられてハサミで切ることのできる柔らかいワイヤーや、100均でも取り扱われているモールなどが使われることもあります。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
テクノロート
- 手芸店でしか手に入らない
- 錆びない
- 折れにくい
- テクノロート同士が絡ませにくい
- 羊毛が絡まりにくい
ワイヤー
- 太さのバリエーションが最も豊富
- ワイヤー同士を絡ませやすい
- 錆びたり折れたりする恐れがある
- 羊毛が絡まりにくい
モール
- 安価
- 手に入れやすい
- 羊毛が巻き付けやすい
- モールの毛の分羊毛を厚く巻く必要があるため、小さな作品には向かない
- 柔らか過ぎて作品を支えきれないことがある(しっかりと固くフェルト化させることで回避可能です)
作りたい作品にあったものを選ぶようにしましょうね。
骨格の作り方
テクノロートなどを使って骨格を作る場合、動物や人形など手足が4本ある生き物のモチーフなら、2本のワイヤーをH型に組み合わせるのが基本になります。
大きさなどは、作りたい作品に応じて変更する必要があります。羊毛を巻き付けて肉付けしたときの大きさを想像しながら、パーツの長さを決めましょう。
1.同じ長さのテクノロートを2本用意する
2.2本をクロスさせてねじり、胴の長さを決めます。
ねじった部分が胴、端の部分が手足になります。
テクノロートは絡みにくく、ねじっても引っ張ると抜けてしまうことがありますが、丁寧にキツくねじれば大丈夫です。
3.手足の長さを決めて、余った分を折り返します。
端を切りっぱなしにせず折り返すことで羊毛からテクノロートが飛び出して怪我をしてしまうことを防ぎます。
モチーフのバランスにもよりますが、同より手足が若干長く作ります。
特に人型の場合は骨盤(後述)を作るので、手より足が長くなるようにしましょう。
なお、頭の部分には骨組みはありません。
4.テクノロートをH型に整える
動物の場合は胴の部分がHの横棒になるようにH型に整えます。
人型の場合、H型にしてから骨盤の幅でもう一度テクノロートを90度曲げて、人が手を広げて立っているような形にします。
5.中詰羊毛を巻き付ける
中詰羊毛で肉付けをしていきます。
一度に骨組み全部に羊毛を巻こうとせず、パーツごとに少しずつ巻いていくのがコツです。
テクノロートやワイヤーを使用していて、上手く羊毛が絡まない場合は、予めシート状にフェルト化した羊毛を使いましょう。
また、ニードルが骨組みに当たると、ニードルが折れたり曲がったり、テクノロートや細いワイヤー、モールが折れてしまう恐れがありますので注意しましょう。
6.しっかり固まったらポーズを付けて仕上げよう
中詰羊毛がしっかりフェルト化したら、好みのポーズを付けましょう。
ポーズを付けることで羊毛にシワがよってしまった部分などを整えれば肉付け完成です。
染色羊毛で丁寧に仕上げていきましょう。
頭のパーツは別で作成して接続します。
頭も左右に動かしたい場合は、首にワイヤーなどを深めに刺して、そこに首を刺すようにします。
手足が4本以上ある生き物の骨格
6本の手足を持つドラゴンや足だけでなく首まで動かせるキリン、足を動かすことのできるタコなど、手足の数の大きなモチーフに挑戦したい事もあるかもしれません。
たとえばドラゴンやキリンのようにパーツが増えただけであれば、H型の骨格にパーツを足せば実現可能です。タコなら、足にだけテクノロートを入れて、本体に接続すれば良いでしょう。
どのようなモチーフを作るにせよ、骨格をできる限り正確に再現することがリアルなバランスに仕上がりますので、実在の動物の骨格をよく観察することが大切です。
ドラゴンのような空想上の生き物も、実在の動物を参考にすることでよりリアルな骨格を作ることができるでしょう。
人間も動物も骨格が命です。
よく骨格を観察して、納得のいく作品を作り上げてくださいね。
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